「猫共生型住宅」は入居者を取り込む大きな強みとなります。競合物件がまだまだ少ない為、入居期間が長くなることも見込めます。
90年代に多く流通したロフト付き物件ですが、近頃は「夏暑い」「掃除しにくい」などの理由で、入居者からも敬遠される傾向があるようです。
そこで今回は比較的空室要因になりやすい、ロフトを活かした内装事例をご紹介します。「お金をかけるだけがリノベーションではない」という事例でもあります。
低迷するロフト付き物件に「猫」を
ロフトの魅力のひとつが「天井高で開放感がある」ことです。じつは私達人間以外でも、この高さを愛して止まない方々がいるのです。
それが「猫」です(笑)
近年ペットとして飼う人が増加している猫ですが、爪とぎや臭いの問題から敬遠されるオーナー様も多く、その需要に賃貸物件の供給が追いついていない現状があります。
じつはそれがチャンスだったりもします。
これから紹介する事例も、近隣にペット可物件はあれど小型犬のみ可の物件が数件だけで、猫可に至っては10㎞先まで0件でした。そのため近隣物件にない希少性をアピールできると考えました。
コンセプトは「猫共生型住宅」
物件は1R+ロフト、立地が悪いことなども重なり築6年のデザイナーズにもかかわらず9室中2室が長期空室でした。大掛かりな改修は必要ないものの、他の物件とはあきらかに違う”住みたい”と惹きつける「コンセプト」を立てる必要がありました。
ロフト付き、近隣に猫可がない、この2つの条件も相まってたどり着いたコンセプトが「猫とゆったり快適に暮らせる猫共生型住宅」です。
ペット可…と言うより、「猫も人も快適に暮らせる」ことがポイントです。
猫は高いところを好む習性があるものの、なんと降りるのは苦手な生き物なんです。安全に降りられるようキャットタワーと飾り棚にもなるキャットステップを設置しました。
これで自由に行き来して、運動不足解消とストレスを発散し、猫が安心してロフトで寛ぐことが出来ます。
キャットタワーの柱部分にも爪とぎが付いています。遊ぶためだけでなく、お部屋を守る役割も果たす一石二鳥のアイテムです。
こんな可動棚を設置してキャットステップとして活用するのもありですね。
変えたのは3点だけ!
猫ではなく入居者さんの使い勝手を考え、簡易的な可動棚とフックでキッチングッズがかけられるレールを設置しました。(※吊戸棚がなかったので)
このキッチン棚と、先程のキャットステップ代わりのウォールシェルフ、キャットタワーの3点のみです。猫用アイテムの設置がメインのため施工の費用はとても安く抑えられています。
他にもある猫共生型賃貸に向いている部屋タイプ
ロフト付き物件の他にも「猫共生型物件」に向いている物件があります。
例えば…
【出窓があるお部屋】
こんな姿、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
【メゾネットタイプ】
特に2階です。活用方法は階段部分を活かしたこんな感じです。
「猫共生型住宅」のポイント
今回ご紹介した「猫共生型住宅」の事例のポイントは、下記の2点です。
お部屋の特徴(ロフト・メゾネットなど)を活かす
猫の習性を知りながら取り入れる
また、しっかりルール(去勢・ワクチン接種・2匹まで等)を示しておくことは絶対必要です。
それが守れていれば「猫共生型住宅」は入居者を取り込む大きな強みとなります。競合物件がまだまだ少ない為、入居期間が長くなることも見込めます。ただ単に部屋を猫可にするだけでなく、ちょっと事例のような猫の習性を踏まえた要素を足してみるのも良いかと思います。
私達朝日リビングは、空室で困っている・満室を維持したいオーナー様と一緒に、もっとも良い改修方法を考えます。どんなデザインが良いか、限りある費用面でどんな事ができるか…など、ぜひご相談ください。